ファミコンがはじめて家に来たときのこと
RFスイッチ???
お父さんからの電話
当時小学生だったある日曜日、家の黒電話が鳴った。外出中のお父さんからだった。
「ファミリーコンピューター買うけど、ソフトは何がいいんだ?」という連絡だった、と思う。
ファミコンを販売しているお店から電話しているらしく、私は「スパルタンX」と答えた。
複数のソフトのタイトルを言われて、ここから選べ、ということだったと思う。
その中には、友達の家で既に遊んだものもあり、せっかくなので、これまで遊んだことがない「スパルタンX」と答えたのだと思う。
ファミコンがきたけれど…
夜になって、お父さんが帰宅し、とうとうファミコンが我が家にやってきた。
ただ、お母さんから
「今日は遅いから明日にしなさい」
と言われて、その日ははやく遊びたい気持ちを抑え、我慢して寝たと思う。
翌日、小学校から急いで帰った。
そして、さあファミコンで遊ぶぞー、と思ったものの、
「あれ??どうやったらファミコンってテレビに映るの???」という状態におちいった。
友達の家では、カチッとスイッチをスライドさせるとテレビにゲーム画面が映ってた。それしか知らなかった。
家に居た、ばあちゃん、じいちゃんに聞いたけれど、ごめんねわからないよ、と。
とうぜん、小学生のお姉ちゃんも分からない
仕方がないので、お父さんとお母さんが仕事から帰るのを待つことにした。
若干、既にべそをかいていた。
結局、お母さんも分からず、最後に頼みのお父さんが帰ってきた。
お父さんは、テレビの後ろに周り、数十分何か作業をして…、
ついに、一応できたぞ、とのこと。だけど、やっぱりファミコンは映らない...
お父さんは申し訳なさそうに、「ばあさん、明日、石立のおじちゃんに頼んどいて」と言って寝てしまった。
(当時のファミコンとテレビを接続するのはちょっと面倒で、ファミコンに同梱されている、絵にも描いたRFスイッチという機器を接続する必要があった。)
町の電気屋さん
石立(仮名)のおじちゃんとは、石立鉄男さんにそっくりな、いわゆる町の電気屋さん。
家で利用する電化製品は、すべて石立さんの電気屋から購入しており、
ファミコンの接続の対応等、電化製品の設定や、ちょっとした修理を、サービスで対応してくれていた。
ばあちゃんが石立のおじちゃんに電話をして、さっそく来てくれた。
ファミコンが家に来てからもう三日目...
遊びたい一心で頭がおかしくなりそうな気がしていた。
ササッと作業をし、「どれ、ファミコンつけてみな」とおじちゃんが言うので、テレビの2チャンネルのスイッチを押し、ファミコンの電源を入れると...
スパルタンXのタイトルが映った!!
本当にこの瞬間、嬉しかったのを覚えている。
石立のおじちゃんは次があるのか、お茶をサッと飲んで颯爽と帰っていった。